欲望ベイベー
第7章 50%のキモチ。
あれから、
相葉さんが作ってくれた朝食を食べながら
いつものように下らない話をした。
相葉さんも俺も笑ってて。
いつも通りのなんでもない朝みたいだなと思った。
俺はこの人に対してどうしても臆病らしい。
何か隠しているのは確実だと思うのに、怖くて聞けない。
俺を愛してくれてるのは分かってる。
なら余計な詮索はせずに今のまま愛されていれば良いじゃないかと、心の中の弱い俺が囁く。
朝食後の片付けは俺がした。
相葉さんは自分がやると言ってくれたけど、何かしてないとさっきの事を思い出してしまいそうだった。
泡の付いた手を見つめながらボンヤリしていると、
相葉さんのスマホが鳴る。
・・・メールかな。
真剣な表情で画面を見る相葉さんを眺めていると、
視線に気付いた相葉さんと目が合った。
・・・・・え。
俺と目が合った瞬間、パッとスマホを伏せた。
何、今の・・・。
A「腰、大丈夫??
今日はエッチ1回で我慢するから!」
くふふっと冗談を言う相葉さんに、俺も笑う。
N「1回で済んだ試しが無いけど。」
A「にのちゃんがもっと、って言うもんね♡」
N「バカっ、今日は言わないから!」
A「言わせるように頑張る♡」
N「結局1回で済ます気無いんじゃん。笑」
あははっと笑う自分の名演技に拍手を送りたい。
ねぇ、今、隠した?
バカじゃないの。
俺いま皿洗ってんだぞ。
ここからスマホの画面なんか見える訳ないじゃん。
N「・・・あいばか。」
俺を不安にさせるなよ。
またスマホをいじりだした相葉さんを横目に見ながら、わざと大きな溜息を吐いた。
N「・・・・・」
溜息に気づきもしない。
そんな熱心に何やってんの?
俺の他に誰かいるの?
カチャカチャと鳴る皿の音に紛れて、今度は本当に溜息を吐いた。