欲望ベイベー
第7章 50%のキモチ。
仕事を終えた俺は、ノロノロと着替えを済ます。
いつもはちゃっちゃと着替えて帰るんだけどさ・・・
俺いま弱ってるから。
スマホを確認すると、いつものように相葉さんからメールがきていた。
N「・・・」
お昼は何を食べたかとか、早く会いたいよ、とか。
カップルらしい可愛い内容。
毎日送ってくれるメールが嬉しくて仕方なかったけど・・・
今日は嬉しくない。
返信する気にもなれなくて、スマホをデニムのポケットに突っ込んだ。
楽屋を出て地下駐車場へ向かう。
あ、もう来てる。
運転席を覗いてヒラヒラと手を振れば、さっさと乗れと助手席を指差すイケメン。
N「お疲れー!早かったね?」
M「まぁな。」
潤くんが俺の頭をポンポンと撫でる。
心配かけさせちゃってゴメンね?
M「晩ご飯は?」
N「・・・お腹空いてない。」
M「食べろよちゃんと。
カズの好きなもんで良いよ?
奢ってやるから。」
N「いらない。」
即答した俺を、驚いた表情で見る潤くん。
N「なによ。」
M「奢りって言葉に喜ばないなんて・・・
カズ、大丈夫か?」
N「ホントだ、俺大丈夫かな。」
クスクスと笑い合ってから、潤くんがまた俺の頭を撫でる。
だから犬じゃないっての。
M「冗談言えるくらいの元気があってまだ安心したけど・・・
今朝のメールは驚いた。」
N「ん、ごめん。」
M「浮気なんて、正直信じられないな・・・」
N「確証はないけど・・・
あきらかに何か隠してるの。」
良く考えてみれば、今までも俺に見えないようにスマホをいじっている事は何度かあった。
その時は特に気にしてなかったけど・・・
N「家にあげたがらないって、あやしくない?
今まで普通に行ってたのに・・・」
M「そう・・・だなぁ。」
N「俺ん家の合鍵は相葉さんに渡してあるんだけど、
相葉さん家のは俺持ってないし。」