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欲望ベイベー

第8章 急下降。




俺は今最高に機嫌が悪い。
元々、あまり思い悩むタイプではない俺が、モヤモヤとした気持ちを抱えたまま過ごしているんだ。
ストレスMAXです。



相葉さんへの疑惑は、より深まってしまった。



こないだ、ハッキリ聞こうと決意したにも関わらず、なぜ相葉さんに問いただせなかったのか。



相葉さんの様子が、
いつもと違ったから・・・



エッチ中も、ずっと何か考えてた。
俺に甘い言葉を囁く時も、激しく俺を攻め立てる時も。
何かに耐えるような悲しそうな目をしていたから・・・



俺に対して、何か罪悪感でもあるのか?
後ろめたい気持ちで俺を抱く事に、申し訳ないとでも思ってるのか?



いつ「ゴメン、実は・・・」って言われるのかとビクビクしちゃったよ。
聞きたくないって思った。
何も知りたくないって。



だから、聞かなかった。
潤くんごめんね、俺逃げちゃったよ。



「ニノさん、行きますよー?」



N「ん、ああ・・・」



相葉さんに返信しようと手にしていたスマホを、パッと覗かれて焦る。



N「バカ!見るなよ!」



「だって、泣きそうな顔してるんですもん。
何見てるのかなって。」



ちっとも悪びれる事無くケロっと言う。
最近の若い奴ってのは・・・



「あ、ホラ皆揃ってる。
行きましょ!」


グッと手を引かれて、賑やかな店内を進む。
最近流行りのBARらしい。
若いお客さんが多い。



「ニノさーん!遅いですよ!
俺の横どうぞー!!」


「ズルイってお前!
ニノくん、こっち!!」



N「うるせぇなぁ、もう・・・」



今日は若手の俳優の子達に誘われて飲みに来た。
一応、俳優として名を馳せている俺は若い子達に尊敬されているらしい。



まぁ、偉そぶらないから接しやすいんだろうな。
随分と懐いてくれるもんだから俺も悪い気はしない。





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