誰も見ないで
第1章 告白
「好きです!!! 付き合って下さい!!!」
そんな声が響いた放課後、学校の屋上
「え……」
続いて口から出た俺の声は、あまりに呆けた声
なんでこんな変な声が出たかって
それは
俺に話しかけるだけでなく告白までする人なんてこの世に存在するんだって思ったのと
告白して来たその人が、俺と同じ男だったから
俺は人との間に壁を作ってる気なんて全くないのにクラスに全然馴染めなくて独りぼっちで
だから課題の回収とかで必要に迫られてない限りは話しかけてくるような人今までいなかった
目の前の子はクラスメイトなんだけど、いっつも教室の端っこで本読んでる子
「子」なんて言い方おかしいかもしれないけど、それぐらい小さくてか弱い感じの人なんだ
その子がどうして俺に告白なんて
独りぼっち同士だから?
でも友達になろうじゃないんだもんね
すると、目の前の小人が顔を上げた
小さな顔に対してちょっと大きめのメガネが反射して表情はよく見えない
それに真っ黒な前髪も普通よりは長いから、メガネがなくても見えないかもしれない
「あの……ダメ……ですか……?」
ボーイソプラノって言うのかな、少し高めの小さな声がおずおず俺に話しかけて来た