誰も見ないで
第5章 好きになんて(サイドストーリー)
だけど冷めていく俺の身体とは逆に数学教師の興奮は高まってきたらしく
「!!!」
俺の腰のあたりにあたっていた股間部が硬くなってきてるのがわかった
最悪
最悪
そして散々俺の胸を弄ったそいつはついに
「そろそろこっちも見せて貰おうかな?」
俺のズボンに手をかけた
こんな奴に触られたくない
どころか、見られたくもない
「んーーっ」
「恥ずかしがらなくても大丈夫だよ。小さくても笑ったりしないから」
優しい口調で俺のベルトを外され、もうだめだと覚悟したその時
「!?!?」
「なんっ……ぐ!?!?」
教室の扉が内側に倒れてきたと思ったら、俺の上に跨っていた数学教師が突然いなくなった
それが殴られてふっとんだんだって理解した直後、俺の方に歩み寄る影
その人は
相原、大和……
呆然とする俺とは裏腹にテキパキ俺を拘束していたネクタイを外して、俺を立たせる
そして
「チッ……」
「ぐぁっ」
「行くぞ」
舌打ちと共に倒れてる数学教師に蹴りを入れると、俺の手を引いて歩き出してしまった
俺はそのまま釣られて歩いたけど
なんで
頭の中は疑問符でいっぱいだった