ファンタジー短編集
第3章 マジカル☆乙女パワー全開
「ったく。クリスティーネはホントだめだめだね。それに、シェリスは卑怯な奴だ」
そこに居たのは紫のローブを身に纏ったベルだった。
「ベッベル! 何で?」
「う……」
「ほっとけなくて、後をつけてた。ごめん」
「貴様、ベル――」
シェリスは怒り狂ったように叫ぶが剣がない今、無駄な足掻きだ。
「この間の借りは返したから。やっぱりお前が俺に勝とうなんざ百年、早いんだよ」
ベルは高笑いした。一番、敵に回してはいけないタイプだ。
「くそうっ! これだから魔法を使える奴と使えない奴の格差は嫌なんだよ」
シェリスは負け惜しみを言っている。
「あーあ……結局また助けられちゃった」
「クリスティーネは十分頑張ったぞ。偉い偉い」
ベルはあたしの頭を撫でた。
「ありがとう」
「さぁーて、材料採りも終わってるみたいだし、帰るか?」
「そうだね。帰ったら助けてくれたお礼にとびきりおいしい紅茶を淹れてあげる」
「そりゃ楽しみだ」
ベルがそう言うとあたしたちは草原を後にする。
こうして、あたしの小さな旅は幕を閉じた。
「ちょっ……俺を置いて終わらすなー!」
End
そこに居たのは紫のローブを身に纏ったベルだった。
「ベッベル! 何で?」
「う……」
「ほっとけなくて、後をつけてた。ごめん」
「貴様、ベル――」
シェリスは怒り狂ったように叫ぶが剣がない今、無駄な足掻きだ。
「この間の借りは返したから。やっぱりお前が俺に勝とうなんざ百年、早いんだよ」
ベルは高笑いした。一番、敵に回してはいけないタイプだ。
「くそうっ! これだから魔法を使える奴と使えない奴の格差は嫌なんだよ」
シェリスは負け惜しみを言っている。
「あーあ……結局また助けられちゃった」
「クリスティーネは十分頑張ったぞ。偉い偉い」
ベルはあたしの頭を撫でた。
「ありがとう」
「さぁーて、材料採りも終わってるみたいだし、帰るか?」
「そうだね。帰ったら助けてくれたお礼にとびきりおいしい紅茶を淹れてあげる」
「そりゃ楽しみだ」
ベルがそう言うとあたしたちは草原を後にする。
こうして、あたしの小さな旅は幕を閉じた。
「ちょっ……俺を置いて終わらすなー!」
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