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ファンタジー短編集

第1章 魔法少年VS山賊少年

「……ここ何処?」

 ベルは目を覚ますとそう呟いた。目を覚ましたベルがいる場所は暗い山小屋だ。

「目覚めたか、小僧」

 ベルをさらった誰かが言う。

「小僧じゃねぇよ。てか電気」

「んなもんあるわけないだろ」

「ちっ。仕方ねぇなぁ。Break!」

 ベルは左手を横に向けて壁を殴った。

 ……ドンッ……ペキッ…メリメリ──…

 そう音が響きわたると、小屋に丸く穴があき、小屋の中に光が入り込んだ。

「ちっ」

 光により、ベルをさらった奴の姿がはっきりした。150cmくらいの身長に、軍服を着た少年だ。

「なんだ、ガキかよ」

 ベルは黒い笑みを少年に向けた。

「ガキじゃねぇよ。俺の名前は、アルバート・シェリスだ!」

 シェリスは、威張ってみせる。

「どうでもいいよ。チビ」

 178cmあるベルは、シェリスを見下ろしている。

「んだと!! これから伸びるんだよっ!」

 シェリスは、精一杯背伸びをしている。

「でさ、チビ、なんのつもりだ。俺を捕まえたりして。俺、幼なじみにおつかい頼まれてて急いでるんだけど」

 ベルは眉間にしわを寄せて言う。

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