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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~

第27章 飛べない鳥・・・

俺は、迫る期日も構わずで

来る日も来る日も

マリアの病室に通った





事が事なだけに

ヤツは大人しい




それを良いことに

俺は、目を覚まさないマリアを

見舞い続けた





勿論わざわざヤツと
バッティングすることはしないが


仕事を切り上げ
自宅の片付けや引っ越し準備は放置で


面会時間ギリギリまで
眠ってるマリアの側にいた





『マリア・・・?
今日は良い天気だったぞ・・・』



『・・・』





何も答えてくれないマリア






『マリアぁ・・・俺

もっかいお前と話してぇよ

なぁ・・・たのむよ

目・・・開けてくれよ、マリア』








このまま・・・離ればなれなんて


受け入れられねぇよ





俺・・・マリアに


謝ることも出来ねぇじゃねぇか









『俺、あと何週間かしか
お前のそばにいれねぇんだよ

なぁ・・・?マリア
起きてくれよ・・・

ほら・・・カレー作ってやるからさ
マリア・・・』











そんな風に過ごして数日後




マリアはついに




その目を開けた・・・










『ゆぅ・・・ちゃん?』







俺を見て・・・俺を呼んでくれた




それだけで


俺は何もかも…受け入れられる


それくらい嬉しく


そして安心していた






『マリア・・・っ?!』

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