かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~
第28章 BLUE BIRD
カシャン・・・カシャン、カシャン
ピッ…
カタッ
ガラガラっ……ザー……
ツカツカツカ・・・
俺は自販機に小銭を入れて
サーバーから出たばかりの
氷まみれの飲み物の入った紙コップを
持って…無機質に…歩いた
ツカツカツカ・・・
バシャッ・・・
『っ……ギャアァァァッ!?……何っ?!』
『な……?!』
俺はキンキンに冷えたアイスコーヒーを
その血の昇った熱いアタマに
てっぺんからぶっかけた
『・・・』
『なっ…なにするのよ!?
っ……?!あ、あんたはっ……!?
~~なんでここにいるのっ!?
なんの真似なのっ!!?』
コーヒーまみれの顔で
クソババアがわめいた
『テメェらは・・・人間(ひと)じゃねぇな』
こんなヤツらに
まともに話す事なんて
なにひとつなかった・・・
『何するのよっ!?このキチガイっ!
和樹っ!警察呼びなさい!警察!』
『~~…』
『あぁ……呼んでもらいな
その〃頼れる息子〃にな・・・』
この母親は
本気で自分の息子の正体を知らないのか
出来るのなら、コイツらに
マリアの何倍も…何倍も
苦しみを負わせて
ぶっ殺してやりたかった
バチが当たる?
それに相応しいのは
本当は誰なのかを
思い知らせてやりたかった
地獄の果てからでも良い
揃って…マリアに向けて
土下座させてやりかった