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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~

第5章 指定避難所だから・・・

『指輪・・・付けねぇの?』


またしても、ぶしつけ発言?
(相当ヨケーなお世話だよな?)


『?・・・うん。あんま好きじゃない』


最近は
初めから付けないヤツも多いらしいけど
(職業によりけりとか、費用とか、それもまた
時代のスタイルだとかで?)

マリアは
持ってる…けど付けてないって感じだ。


男ならそんなヤツも多いけどな?

女は大抵つけてるイメージだ。

夫婦の証である、それを。



『女の子には、それもファッションの
一部~じゃねぇの?』



マリアは普通にオシャレそうな感じだし…

なんて

とりとめのないことばっか聞いてんな俺。



『うん…。好きだけど
意味のないものは…付けたくない』



『・・・』



意味のないもの・・・デスカ。


なんか、その一言で
広範囲に渡って決定的なことが
見栄隠れすんのは俺だけか?



『あの・・・私そろそろ』


『ん…あぁ、うん。
わざわざ足労かけて悪かったね』




『そんな、とんでもないよ。
また、ごちそうにまでなっちゃって…
かえって悪いことを…』


また、えらく謙遜して
すまなそうにするマリアを連れて
店を出ると


目とはなの先だが

駅まで送っていった。





そして・・・


なぜだか知らないが・・・俺は





『・・・コレさ、自分のケータイ?』





俺のケータイの着信画面を
マリアの前に突き出した。




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