かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~
第28章 BLUE BIRD
言われずとも、わかっている事
確かにそうだった
信じて娘を託した…その結果
見事に裏切り、マリアをボロボロに
傷つけてきた娘婿
そんな最低な男に
引けをとらないくらい
大切な娘に・・・不倫などという
不名誉を刻み付けた男を
許せるはずなどない
明確に意思表示をしない俺を
あれだけ温厚で毅然としていた
マリアのお父さんが一喝して
俺は、その返事に代わるように
最後に深く・・・深く頭を下げた
マリアのお父さんが
その俺を黙って通り過ぎて
エレベーターに乗り込んで
見えなくなる
俺は、その後ろ姿に向き直り
もう一度頭を下げた
マリアに・・・二度と会うな
〃あの時〃・・・
マリアとの関係が
知られた、あの時も
マリアの夫である、あの男にも
同じ事を言われた
俺が言われて当然の事であり
それも…十分に重い言葉だった
例え……あんな旦那であっても
だけど・・・今、言われた
同じ、その言葉
同じ、その一言は
なぜ・・・こんなにも痛烈で
頭を…殴られたみたいに重く
心臓を突き刺されたかのように鋭く
耳に鳴り響き続けてるのだろう
切羽詰まった
追い詰められるとこまで
追い詰められた事態(こと)だから?
それは…そうだ
だけど、そうじゃない
マリアのお父さんの…真剣な目
底知れぬ、内なる怒り
それは…何がなんでも娘を守ろう
そんな
子を思う…親の強さ
それ故に
生半可な返事なんか出来ない
許されない
そんな
誠意と覚悟をもって
誓わなければならない事だった
確かにそうだった
信じて娘を託した…その結果
見事に裏切り、マリアをボロボロに
傷つけてきた娘婿
そんな最低な男に
引けをとらないくらい
大切な娘に・・・不倫などという
不名誉を刻み付けた男を
許せるはずなどない
明確に意思表示をしない俺を
あれだけ温厚で毅然としていた
マリアのお父さんが一喝して
俺は、その返事に代わるように
最後に深く・・・深く頭を下げた
マリアのお父さんが
その俺を黙って通り過ぎて
エレベーターに乗り込んで
見えなくなる
俺は、その後ろ姿に向き直り
もう一度頭を下げた
マリアに・・・二度と会うな
〃あの時〃・・・
マリアとの関係が
知られた、あの時も
マリアの夫である、あの男にも
同じ事を言われた
俺が言われて当然の事であり
それも…十分に重い言葉だった
例え……あんな旦那であっても
だけど・・・今、言われた
同じ、その言葉
同じ、その一言は
なぜ・・・こんなにも痛烈で
頭を…殴られたみたいに重く
心臓を突き刺されたかのように鋭く
耳に鳴り響き続けてるのだろう
切羽詰まった
追い詰められるとこまで
追い詰められた事態(こと)だから?
それは…そうだ
だけど、そうじゃない
マリアのお父さんの…真剣な目
底知れぬ、内なる怒り
それは…何がなんでも娘を守ろう
そんな
子を思う…親の強さ
それ故に
生半可な返事なんか出来ない
許されない
そんな
誠意と覚悟をもって
誓わなければならない事だった