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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~

第28章 BLUE BIRD

お父さんが去った廊下の角から

俺は、空っぽになったような感覚で

フラフラと廊下を戻り



ひっそりと・・・

マリアの病室を覗いた






熱が下がらずに

意識もないほどうなされてるマリア



その横に付き添い

手を握っては汗を拭いてやってる

マリアのお母さん







マリアは…目が覚めたら


ここ数日で


いいや……ここ何年かで


もっとも心が


気持ちが安らぐ


そんな目覚めを迎えるだろう





目が覚めた、その時に

もっとも心の安らぐ

その母親(ひと)の顔を見つけ

マリアは…心から安心するはず





俺は・・・それだけを切に願い




病院を後にした

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