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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~

第28章 BLUE BIRD

コンコン・・・


「橘さーん?面会あと30分ですよ?(笑)」





病室のドアが開いて
担当ナースが知らせてくれた




『あ・・・ハイ(笑)いつも、すみません』


『もう、帰ります・・・(苦笑)』




いつも時間ギリギリまでいた
俺は…要注意人物?(笑)






「ふふふ……宜しくお願いしますね」




バタン・・・




ナースが笑って流して去ってった






『お時間30分前デース…(笑)』


『親切心てヤツだな……(笑)』





『ふふふっ』


『ハハハっ…』







フゥ・・・



音にならないような、ため息が
お互いから漏れて


俺はマリアを、そっと
ベットに寝かせた





『マリア・・・』


『・・・うん』





マリアの病室
持って出るだけにしてある荷物

そして・・・飛行機のチケットが
ひっそりと置かれていた





『出発、明後日か・・・』


『うん・・・明日、前倒しで
お父さんと弟が…来てくれるの』





『弟…いたんだよな、そう言えば』



『〃力仕事〃なら、お母さんより
弟のが頼りになるから…(笑)

ふふふ…会うの久々だけど
いっぱい文句言われそうだな♪』





家族に…宜しく伝えてくれ?


なんて・・・
言えた立場でも、状況でもない





『マリア・・・体、くれぐれも大事にな』






『うん・・・ゆぅちゃんもね』






中々・・・スッキリと

キッパリとした言葉が

見つからないのは

仕方がないのだろうか…

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