
かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~
第5章 指定避難所だから・・・
シパシパ・・・パチクリ
マリアは少し沈黙して
丸い目を更に丸くして
瞬きを繰り返していた。
そして・・・
『・・・クスッ』
マリアが表情を崩して笑った。
笑いやがった・・・。
『・・・へんな……ぁっ…〃変わった〃
やさしい子・・・。フフッ』
ピクっ……
ピキっ……
変?だとぉ?
フォローしてたクセェが
フォローになってねぇし
(同じ意味じゃねぇかっ!!)
てか、褒めてんのか
貶してんのかどっちだテメー?
ピクピク・・・っ
てか出た!
デタぞ!?ほら!
〃子〃ってなんだよ!?
子・・・って?!
あぁん!?
そこはフツー
せめて『◯◯な〃人〃』~だろぉが!
(この場合の〃普通〃って
そもそもなんだよな?(苦笑))
なんでテメェはちょいちょい
上からなんだよ
クソガキのくせしてよぉ?!
人妻だからかぁ?!
見下してんのかよテメェ~~!?
そんな俺の事はそっちのけで
『ふふ…。はい』
マリアが、自分のスマホを操作して
登録した電話帳を開いてみせてきた。
そこには
俺の名前が
正確に、漢字で・・・
フルネームで打ち込まれてあった。
『ふふ。ありがとっ…篠宮 優人くん?』
ニコ・・・って
でもって俺
なんで硬直してんだよ!?
