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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~

第28章 BLUE BIRD

ギシ……ギシ……ギシギシ・・・





『んっ・・・ぅ・・・ん、ん……』



『っ・・・』







繋がったまま、ダラリと
ずり落ちそうになるマリアの脚を

何度も支え直して
ゆっくり突き上げると




声を漏らし始めたマリアが
しきりに両手で口を押さえていた






『マリア・・・、手・・・はなせよ』



『~~っ…~~~~!…ムー、ムゥ~』




マリアがずっと合わせてた目線を反らし
ブンブンと首を横に振る



本当は…その声を

惜しみなく出させて

聞いていたいけどな…

仕方がない











俺はポケットから
ハンカチを取り出した








マリアの両手をはなさせて











『マリア・・・ごめん

ちょっと、口あけて・・・』











『っ…ハァ……っ・・・???』











『・・・』





グイ・・・



止めてた呼吸を再開するように

僅かに開いた唇を
少しこじ開けるようにして

俺は、その小さな口に
ハンカチを噛ませて声を遮った







『ンッ・・・グッ・・・ん』










『離れないで・・・マリア』







『・・・。・・・ン』






その意味を理解したように

マリアは空いた両手を

俺の背に回して、しっかりと抱きついた






恥ずかしいのか無意識か

時折、顔を反らすマリアの顎を押さえて

正面を向かせる









『マリア・・・愛してる』







『ん・・・ンンっ……ン~~…』










マリアの目から・・・ひとすじ

涙が横に流れた

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