かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~
第28章 BLUE BIRD
『・・・スー…スー…ヒュー…』
『・・・』
涙を流したまま
マリアは目を閉じて寝息を立てている
俺はマリアの口から
そっとハンカチを抜き取り
最後にもう一度…口づけた
果てた・・・?こんな短時間で・・・
それとも・・・寝たフリをしてくれたのかな
キリがないからな・・・
何より・・・時間が迫っている
俺は・・・ようやくして
マリアからはなれる
俺はマリアの身なりを整えて
涙をそっと指で拭って布団をかけた
ガララ・・・パタン
結局、最後まで
お互いに…〃最後の言葉〃は交わさずに
俺たちは、その時を迎えた