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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~

第28章 BLUE BIRD

『う~~わぁ~~…ひっどぉ』



ゴミか荷物かわからん物が
ごちゃごちゃと散らかった部屋に

足を踏み入れた妹が
ドン引きしている




コンビニ弁当のゴミやらペットボトルを
サクサクとゴミ袋に入れながら
呆れかえった顔で俺を見るマシロ






『で?何しに来たんだよ・・・』





『うっわ、無愛想(笑)

はい、コレ…
どーせロクな物食べてないんでしょ?

お母さんが持ってけって
おにぎりとサンドイッチ~それから…』






『余計なお世話だっつーの・・・

~で?マシロ…お前は?
子ども親に預けて

ついでに小遣いせびりにでも来たか?
生憎、今はアテを外してんぞ~・・・』







『はぁ?!まったく…ひねくれた兄上だなぁ

~お母さんに頼まれたから
しょ~~がないから手伝いに来たのよ!

現に〃この有り様〃だしね?!』







片付けも準備も進まない
とっ散らかった部屋を見て
膨れっツラする妹…





『・・・マジで余計なお世話… ;

~そりゃわざわざ悪かったな・・・
でも大丈夫だから

ゆっくりも出来ねぇし
散らかってっから・・・帰れよ

母さんには礼言っといてくれるか?』








『お兄ちゃん……あたし

今日、車なんだけどさぁ・・・』






『は?……どこ停めたんだよ?

この辺あんまし停める所・・・って、まさか

〃路駐〃じゃねぇだろぉな?!』










『その〃まさか〃だったりして~』










『おいおいマシロ!ふざけんな

一発で違反切られるぞ!?

マジで早く帰れ』










『だぁ~~か~~らぁ・・・

〃早くしなよ〃って言ってるの』








『は・・・?』






『どーせ準備もしないで一日潰すんなら

〃気になって仕方がない事〃を

先にやれば?』







『・・・』








『引っ越し前に…〃行きたい所〃

あるんなら、乗っけてってもいーよ?

って、言ってるの、あたし』









妹だって
いつまでも子どもじゃない




突然とんでもない遠くへ
転勤だ引っ越しだなんて言う兄貴に

何も思わないワケもなければ


〃何か〃を察すれば
ごまかしだって利かない

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