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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~

第5章 指定避難所だから・・・

お~~ハズカシ・・・(苦笑)


まぁ、そのへんはさておき


俺・・・なんで



なんであんな事

言っちまったんだろうな?





マリアに

「逃げてこい」

・・・だなんて。


咄嗟のこと・・・

ついつい出たことだったと
思うけどさ。



ひとつ言えることは

彼女のため・・・とかじゃなくて

そう言って別れることで
俺が安心したかっただけ・・・

そんな気がしてるんだよな。


マリアが「うん」と言って
その後、連絡がなければ

彼女は少なくとも何事もなく
平凡でもなんでも

安心して暮らしている、と
俺が思えるから。



マリアは笑って『うん』と言って
去った。


マリアにとっては
テキトーに笑って流した
社交会話に過ぎなかったかもしれない。

年下の…ガキの言う
ざれ言かなんかにすぎないかもしれない。





俺は俺で・・・なんでだろうな?
なんで、そこまで
言う必要があったんだ?


マジで、わかんないけど。




少なくとも俺は

この時・・・自分が彼女に言ったことを

自分のしていることが

それが、どういうことなのか

俺自身に、どういう事態をもたらすのか


わかってもいなければ
考えてもいなかったと思う。




彼女の…

マリアの立場も

ろくに考えず、理解もせず



なにも・・・わかっていなかったと思うんだ。

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