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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~

第5章 指定避難所だから・・・

『おつかれ~ッス』

『あんら、シノちゃん~。おやつ食べる?』


仕事の小休憩
喫煙所で甘いモン片手にくつろぐのは
事務のおばちゃん。


『オハラさん、いつもすんません(笑)』

愛嬌たっぷりで明るいおばさんだ。
左手には…外そうにも
外れなそうなキツキツの結婚指輪(笑)

俺の知る既婚者…人妻サンって
言ったら、こんなん(失礼(笑))が
大半を占めてるぜ。


『オハラサン~?オハラさんちって
ぶっちゃけ夫婦仲イイんすか?』


『どしたい突然~?そりゃもぉうちは(笑)
あたしはパパ一筋だから?(笑)』




『あ、旦那さん来年で定年でしたっけ?』


『・・・ほんっっとにねぇ~~。
考えるだけで憂鬱でたまんないのよ!?
いっそのこと有給バンバン使って
今のうちに旅行いって遊びほうけておこうかな
なんて画策してるわよぉ』



おい・・・(笑)



『ぷ・・・そんなモンすか?(笑)』


『どこのうちも、色々!
そんなモンよぉ~!
結婚生活なんてねぇ…
一に忍耐、二に忍耐~!三・四がなくて
五で大爆発~!よ!』




うーわ(苦笑)リアル



『(笑)…でもさオハラさん
別れようと思ったことないの?』



『っんもぉうっ!やぁねぇっ!
あるに決まってんでしょぉっ!
それこそ~一回や二回
どこんちでもあるわよ絶対!』



〃パパ一筋〃はどこ行ったよ
オバチャン?(笑)



『なんで?…別れなかったの?』




『ん・・・子どもが、いたからねぇ
大体みんな、それで留まるんじゃ
ないかい?
子ども一人で育てようってなったら
並の事じゃないからねぇ』




『そっか…。オハラサンさ…
結婚してよかった?幸せ…だった?』



オバチャンは
せんべいかじりながら腕組んで
ちと、語る。



『ん…やっぱり子どもを持つのは
結婚したから出来たことだからねぇ
ん・・・そこに尽きるかねぇ。
とくに女は』



『子どもは、特別ってやつスカ?』



『そりゃそぉよ~!
旦那はどうでもいいけどねぇ!?
子どもはもう、自分の全てよ!

っとと…若い男の子に
こりゃ言っちゃダメねぇ(笑)』



『いや、遅ぇーよ(笑)』


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