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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~

第30章 翼を・・・ひろげて

家族にも、会社の人にも

誰にも知れていない

趣味のようなもの

小さな…自分の心の居場所を見つけ

俺は俺らしく

俺なりに…前向きに生きていた





地道に…コツコツ



それって何事にも大事なんだよな



仕事でも、それなりに成果をあげたり

それなりに…俺は歩んでいた



充実・・・って言っても良いのか?



そうこうしてるうちにさ・・・
















『優人・・・おかえり・・・っ』


『おかえり、優人・・・』


『お兄ちゃん、おかえりなさい♪』








『うん・・・、・・・ただいま』





島流しが明けた?

謹慎がとけた?

左遷解放令?





なんでも良いが…まぁ会社都合だ





俺は再び異動が決まり

元の場所に

地元に戻って来た







俺は…既にアイツよりも





俺の年齢は


出逢った時のマリアより…


最後に会った時のマリアをも


上回っていた






いつの間に?…ってか?






変わらずに…迎えてくれたのは

家族だけだった




戻った会社は
人もほとんど変わっていて

別の職場に転職したも同然なほど…
違う景色になっている




まぁ・・・悪くねぇよな




どこにいたって

どうにだって生きられる





前さえ向いて・・・歩いていれば

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