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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~

第6章 マリアの日記・・・

◯月□日

私は奴隷じゃない。




◯月△日

ついに25歳になっちゃった。
すっかりオバサンってかんじ。

仕事辞めなきゃよかったな。
反対されても、やな顔されても
辞めなきゃよかったな。
まだ社会復帰できるかな?

自信ないな。こわい。







◯月×日

子どもも望まない
愛してもくれない
そんな人との生活には
私もそろそろ決断をしたいところだ。

結婚ってなに?
あの人にとって、結婚って何なんだろう。
自分の見栄とかプライドのため?

私にとっては……?

私は…自分の家族がほしかった、かな。
そんなに、子ども子どもって
執着したりはしてないけど

ちゃんと、絆のある
あったかい家族がほしかったな。

もう、ここに
希望はない。







◯月□日

働きに出たい、と相談したら
「そんなに生活が不満なの?」
ときたものだ。
呆れ果ててしまった。

そういう事じゃない…普通は
わかるよね。

本当に人の気持ちなんかわからなければ
私の気持ちなんて
どうでも良いのだろうな。

働くな、と言うのは
苦労させたくない…とか
あったかい理由じゃなくて

この人が自分がおもしろくないんだ。
自分のメンツがつぶれるんだ。

いつの時代の人間よ。
古くてダサくて
情けない男。

あるいは…
私が自由になるのが
嫌なんだ。




◯月×日

義父がなくなってから
益々暴走してみえる。

親を尊敬するのは素敵な事だけど

義父の仕事を継ぐとかって
躍起になって。

変に亭主関白とか
昔染みた〃男性像〃に
なんか憧れてるのかな?
自分の……父親に?

そんなの勝手だけど
威張ることとか、人を傷つけることで
それを保てると思ったら大間違いだよ。

「女は3歩後ろ歩くくらいでいろよ」

「お前は男を立てるってことを知らない」

本気でドン引き。

古き良き時代の
可愛いおばあちゃんでも探して
再婚してもらえ、バカ男。

私が、そのおばあちゃんでも
あんな男は願い下げだけど。







パラ・・・パラ・・・

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