かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~
第8章 ゆるされぬ想い・・・
『きゃぁっ・・・ちょっ』
『ぅ・・・わ、…っと!』
『『・・・・・・』』
揃ってソファから転げ落ちる羽目に…。
覆い被さって
マリアを潰してしまった(苦笑)
『ど・・・どいて、よ』
『わりぃ・・・』
『ぷっ・・・ふふふ』
『~~・・・ハハッ』
どちらからともなく
笑いが起こってしまって
でもお陰で
空気が少し軽くなった。
『~~さてと・・・マリア?』
『・・・?』
『ちと、話しよっか?
とりあえず俺しかいねぇけど…
文句言うなよ・・・』
俺はマリアとちゃんと
話をしようと思った。
マリアの気持ちを聞いて
その上で
出来ることを・・・。
『マリアは・・・どうする?』
『・・・』
『これから、どうする?
・・・どうしたい?』
『私・・・』
『家に・・・帰りたい?』
『・・・っ』
マリアが少し震えて下を向いた。
俺は気付いていた。
いつもなら
家に帰ると言い出す時間を回っても
マリアが動こうとしないことを。
ただ・・・
毛頭、俺は
マリアをこのまま家に
あの鳥かごの中に
帰す気は・・・
まったくなかったけどな…。