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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~

第8章 ゆるされぬ想い・・・

日が暮れると

マリアは再び重苦しい表情を見せた。




『そろそろか?』

『仕事は・・・終わってるかも』




追跡防止のためか
すでに電源を落としてある
自分のスマホを握りしめて

少し・・・震えている。





マリアは、おそらく
俺なんかが比にならないほど
沢山の事を調べてきている。


情報も注意すべきことも
対策法も…おそらく詳しい


いざとなったら
その徹底ぶりはピカイチなのかもしれない。




とりあえずは…
自分の居場所は知られたくない。



そんなマリアは
めちゃくちゃピリピリしてみえた。



電源を入れるのをためらっている。





『・・・ホイ。俺の使えば?』

『え?・・・』




『番号、非通知にすれば…平気だろ?』


『じゃぁ・・・GPSも…切って?』






本当に徹底していた。




『ふふっ・・・了解』












RRRRR・・・








マリアは神経質過ぎるほど徹底して
テレビの音をわざと上げたりして
周りの音を消してるようだった。








『・・・もしもし・・・まりあ、です』





・・・。




俺にも少し・・・




いや、かなり




緊張がはしる








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