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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~

第8章 ゆるされぬ想い・・・

『マリアさぁ?もういいじゃねぇか!』

『え?…』




一か八かじゃないが
俺はちと無茶振りしてみた。



『そんな旦那…ポイッと捨ててやればさ

お前がいなくても生きてけるぜ
ザマァ~♪ってさ?

見返してやれよ?

一歩外に出たら…案外
気が楽になってウハウハかもしんねぇぞ?

たった一歩出ないばっかに
それを知らねぇなんて
もったいないなくねぇ?』






『うん…。なんか…出来る気がしてきた』



『おぅ、いいじゃねぇか(笑)

そうそう!…~大体なぁ!
男なんてなぁ、外で威張れねぇから

家の中でそうやって調子こいて
エバってるしかねぇんだよ!

ったくなぁ?!』






『…自分も男じゃん(笑)』



『や…俺は…なぁ
一般論を述べたまででなぁ!』



『ふふふっ。
なんか…やっぱりここ
空気がおいしい…。元気になる

あ、やっぱり…外も出ようかな?
ダメ?』






誰かが・・・誰かがこんなふうに
ちょっとでも

一日でも、一瞬でも
彼女の話を聞いてあげたり

味方になって
励ましたり手伝ったり
孤独を感じずにいられたら

マリアはもしかしたら
俺が想像も出来ないような

キラキラに輝いた人生を
謳歌してたのかもしれないな。

人間としても・・・女性としても。


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