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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~

第9章 鳥かごの中で・・・

ははは・・・何言ってんだ俺・・・


アホか





『ゆぅちゃん?』

『へ…?』




『だからお夕飯(笑)』

『ぇ、あ~・・・ビーフシチュー』




『え?・・・。ぁの…買い出し行く?って

~~…ビーフシチューがいいの?

でも…カレー食べたばっかじゃん(笑)』





やべ・・・

ちっとも話聞いてなかった





『~~…いーだろっ』


『カレーと…あんま変わらないかなって(笑)』






『・・・カレーとシチューだろ?!
ちげーじゃねーかっ・・・』




『ふふっ…そんなに食べたいんだ?(笑)
わかった!

ならさ、作っておいて明日食べたら?
ねかすと美味しくなるし

私、夕飯は
ゆぅちゃんのカレーがいいや♪』








人の気も知らねぇで・・・

ニコニコ笑ってらコイツ。



人の気…?
まぁ、知ったとこじゃねぇよな。

マリアは今…必死なんだ。

人生かかってんだから。




『あの…私・・・電話してくる』






マリアがケータイ片手に
立ち上がる。

電話する相手は…一人しかいない。



『帰ってくんな、って言われたら
どうしよう?(笑)』




マリアは笑いながら言う。


すっかりくだけて、というか
そういうキャラだったり

精神的な余裕が出てきたのかもって
俺も安心してた。



帰ってくんな…?

まぁ、知る限り
何を言うかわらかん旦那だ。



でも…俺


正直、それならそれで


それが…一番良いんじゃないかって
思ってた。


あのダンナに会わなければ
マリアは心にも体にも
傷を負わずに済む。




そのまま・・・マリアが
自由になれれば




それに越したことはない…




それだけ?




うん…それだけだよ





当たり前だろ。

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