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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~

第9章 鳥かごの中で・・・

『・・・あの、ゆぅちゃん
連絡・・・してもいいかな?』

『ん~~?』




『今後・・・』


『ん、おぉ。いつでも駆け込みOKだぜ?
まぁ…ないに越したことはないけどな』






『そう…じゃなくて』


『???』








『自由に…なったら
御礼が言いたいから・・・』


『・・・・・・』








『ゆぅちゃんは・・・恩人だから。

その時は

ちゃんと…御礼を言いたいから』




・・・。



なんでかな・・・コイツ(笑)






『ふふっ…あぁ、じゃぁ

いい知らせ、待ってるぜ』








『うん…っ。

私・・・明日からが
なんか楽しみなの。

不安だけど…楽しみなの。

こんな明るい気持ちでいれるのが
ちょっと信じらんないんだ。

本当に…感謝してる』






『・・・。』




マリアの未来が

明るいと良い。



本当に・・・本当に。






『・・・ごめん、やっぱ
私あっちで寝る』



マリアがモゾモゾ・・・動くのを






ガシッ・・・






俺はヘッドロックして(笑)







『ごちゃごちゃうるせぇな・・・

いいから、寝ろよ』






『んが・・・っ、ちょ…』



『ふっ・・・誰も襲わねぇよ
お前みたいなペチャパイ(笑)』







『ひ……ど…っ!はなし…!
る、るーるっ…!』







『ルールその4・・・

誰かさんが、泣くと悪いから』










マリアが・・・

人知れず、一人で泣くと

悪いから。






マリアが、あんな風に泣くのは

もう見たくなかったんだ。






なんて・・・口実かもな


俺がこうしていたかった
それだけかもな。


マリアの作る空間が

なんか俺には心地良いから。










『マリア・・・頑張れよ』





自分の意思を持って
自由に…

今みたいにさ、笑ったり怒ったりして

お前らしく、生きてけよな?





『・・・て、寝んの早・・・(笑)』









色気はねぇし…

ガキみてぇな顔…。




・・・。




・・・・・・。





『・・・っ』





俺は


マリアを起こさないように

そっとマリアの唇に口づけた。




最低?




そうだよな。

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