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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~

第9章 鳥かごの中で・・・

開き直りじゃないが

認めてしまうと、楽になるというか


どんどんと俺の心根が
その本質をのぞかせる気がした。








マリアの旦那は許せない。


素直過ぎるほど素直で

あんな明るくて
やさしい…人思いなやつなのに


泣かせて、苦しめて
ボロボロにして


それでも飽きたらずに
マリアに暴力までふるっていた。



今となっては俺は

俺にとっては
初めて逢った頃のマリアの方が
まるで別人・・・そう思える。


彼女をあんな風にしたのは
少なからずあの男なんだ。





フザケやがって・・・





テメェで嫁にもらったくせに

なんなんだよそれは。




いつもあったかいメシ作って
待っててくれて

体の心配してくれたり
献身的に尽くしてくれる

そんな嫁さんがいるくせに



感謝もせずに
奴隷みたいに扱って
泣かせてるってよ…

どういう了見だよ。








・・・なんて言いつつ



そんな俺の本心は



その大半は・・・嫉妬だった。








俺は、よく知りもしないその男に



マリアの旦那に



めちゃくちゃ嫉妬していた。






朝起きればマリアがいて


一緒にメシ食って



いってらっしゃい…とか

言われて・・・




帰ってくればマリアが待っててくれて


どーでもいいこと喋りながら
夕飯一緒に食って…

笑って・・・




夜…当たり前みたいに
同じベットに入る・・・



それが



あの男には…



あの人には

当たり前に許されるんだよな。





彼女が眠っている間に
キスしたって…



罪の意識なんか
感じなくていいんだよな・・・




今の・・・俺のように。





・・・。



何考えてんだ俺・・・




いつからそんな…





感情ってコエーな?

得体が知れなくて

いつ、どこから
やってくるのかわかったもんじゃねぇ。






俺・・・いつから





一番・・・覚えがあるのは


あの時・・・。








マリアが


薬・・・


ピル飲んでるの

知った時・・・

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