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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~

第2章 家出・・・デスカ??

せめて手をはなさずに

手を掴んでいれば

少しくらいマシだったかもしれない。



手を伸ばしても
間に合わなかった。


俺の目の前で
バタンと音を立てて


女の子が倒れ込んだ。



なんの支えもなく
冷たいアスファルトの上に。




『っっ…おいっ!』







ガタガタ・・・ガタガタっ・・・




地面に倒れこんで
そのままうずくまり

一ヶ所だけ地震でも起きてるみたいに
震えてる女の子・・・。




ヤベェ・・・。




何やってる俺・・・




何がオトナの対応だ



こんな明らかに異変ありの子と
道端で押し問答してる場合じゃ
なかっただろーが!



泣かれようが、喚かれようが
交番にでも駆け込むべきだった・・・



『おいっ!・・・しっかりしろ!?』




血の気が引く思いでしゃがみこみ
女の子を抱き起こした。




そして



文字通りに・・・



血の気が引いた。












冷たい・・・。







またしても文字通り






氷のように体が冷たい。


手も冷たかったけど

背中も・・・

顔も


血がめぐってないってくらい

冷たかった。




『おい・・・?しっかり・・・』




ぽんぽん・・・


頬を軽く叩いてみるが
反応しない。






くっそ・・・っ





なんてこった!?













俺は抱き起こした女の子に
自分のコートを羽織らせた。



迷ってる暇はない


今度こそ・・・はやく

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