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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~

第2章 家出・・・デスカ??

誰か・・・誰かいねぇのかよ?!


誰か通ってくれよ。


たのむよ・・・。




期待せずに期待しながら
俺はスマホを取り出した。



交番まではまだ距離がある。
着いてから通報してもらう・・・よりは
早いはずだ。



救急車・・・。









ガシッ・・・









って・・・








『ぅわ・・・っっ!?』








手が伸びてきて

俺の手ごと

スマホのダイヤル画面を遮った。



氷のように冷たい手が……。







『ハ……ハァ……ハ』

『~~・・・』



腕に抱えてる女の子をよくみると

ブルブル、ガタガタに震えながら

かすかに首を横に振っていた。


〃やめて〃・・・と。











そう・・・言われてもよぉ









『・・・聞こえる?』



俺は再び
ぽんぽんと女の子の頬を
軽く叩きながら声をかけた。




コクリ・・・



わずかにうなずいた。










『警察もダメ・・・病院もダメ・・・。
・・・それ以外なら・・・いいか?』


『ハ……ハ……ハ・・・?』






かすかに目をあけて


確かに俺の方をみた・・・。



首を横には・・・振ってない。





『立てる・・・?』






コクリ・・・。






よし・・・うなずいた。






ゆっくり・・・体を起こして

女の子を立たせた。








ガタガタ・・・ブルブル


ゴソゴソ・・・。





『・・・?』

『ハ……ハ……』






『・・・脱ぐな。』

『・・・・・』




羽織らせたコートを
俺に返そうとしてくるからさ・・・




『脱ぐな、着てろ。風邪ひくぞ?』

『・・・』




て言うか・・・死ぬぞ?




『着ろって・・・袖も、通して。ホラ』







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