かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~
第11章 そういうの・・・碧いよ
俺を突き飛ばしたマリアが
一歩後ろに下がる
『ごめん・・・』
『・・・』
あやまんなよ・・・
スゲー惨めじゃねぇか俺・・・(笑)
なんてな・・・
『自分の都合に良いようにばかり
私・・・最低だと思う、ズルイと思う
友達になりたいだなんて…
都合良いことばかり
ゆぅちゃんに
ひどい事・・・言ったと思う。
でも…それは・・・できない』
『・・・』
マリアにとって
これまで俺と接触してきたことは
偶然にして
苦肉の策だった。
マリアにとって・・・
それとこれとは、別の話
それと、恋愛するのは
別の話・・・
トモダチでいたいヤツと
好きになるヤツとは
別の話・・・
それだけの、ことじゃねぇか
『ごめんなさい・・・。
私・・・都合良く頼ってばかりだった。
ゆぅちゃんが、悪いんじゃないよ?
そうじゃなくて
私には…それは
許されないことだから。
それに…
ゆぅちゃんは・・・
私にはもったいないよ』
一見したら・・・
これがその辺の女に
言われたことなら…
その辺の
チョット小綺麗な
敷居の高そうな女に言われたことなら
リップサービス満点
謙遜、尚且つ相手を傷付けずに
やんわりソフトに完璧な…
お断りの言葉だ。
だけど・・・それとはちがう。
俺・・・
『あのさぁ…マリア』
『・・・っ…?』
『お前・・・なんでそんな
〃お利口ちゃん〃になってなきゃ
なんねぇワケ?
こうすべきだ、とか
こうしてはダメだ~、とか?
世間体とかなんかのか
知らねえけど
そんなんばっか…
なんで大事なんだよ』
なんか…
引っ込みつかずか?
強気な姿勢な俺・・・
どうするよ?
『そんなヘリクツは二の次でさ…
俺は・・・
マリアの気持ちが聞きてぇんだけど…?』