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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~

第11章 そういうの・・・碧いよ

『ゆぅちゃんが…

仮にも家庭のある…
配偶者のいる女と

付き合ってる…だなんて

ゆぅちゃんの
お父さんや、お母さん…
ご家族は…どう思うかな・・・?』








『・・・』






『そんな相手と…一緒にいるなんて
たまらないんじゃないのかな・・・』










『・・・親に、とやかく言われる程
ガキじゃねぇよ

俺の事は俺が決める。

世間や親が何て言おうが関係ねぇ
体裁とかなら余計にな…
どうでもいい』












『あなたは・・・
それでも良いかもしれない。

だけど、ゆぅちゃんのお母さんにしたら
大事な息子が

自分の命よりも大切な息子が

得体の知れない女と
危ない橋を渡るような〃恋愛〃してる
なんて…

〃心配〃以外の何物でも…ううん

許せないことだと思う』






『・・・』










『当たり前にしていけば
ゆぅちゃんは、いずれ…

まっとうな女性(ひと)と…
まっとうに・・・
結婚して、幸せになって

自分たちの息子は
そういう人生を歩むはず…って

ご両親なら
思うと思うけどな・・・』






『それは・・・』







『それが・・・
私といたら・・・叶わない』









『・・・』









『離婚も…いつになるかわからない。

当然・・・結婚もできない。

それどころか…
最悪の事態が起これば

ゆぅちゃんが
世間の批判を浴びる…

信頼も、社会的な名誉も
傷付くことになりかねない。

そんな相手といることを
願う親なんか…
どこ探したって、いないよ』




『・・・』









『ゆぅちゃんは・・・

大事な
お父さんとお母さんに一生…

孫の顔もみせないつもりなの?』






マリアの諭すこと…

マリアの言葉は

容赦なく

俺に現実を突き付けた。

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