テキストサイズ

かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~

第12章 戻れない道・・・


『最近連絡とれてんの?』



だから俺はあえて
時々マリアにこう聞く。



『メール入れたりしてる…ん~
あんま返信ないんだ』



『やっぱさ…裁判になるしかないのか?』

『~~出来れば、避けたい。多分むこうも』



『弁護士動かすのってさ・・・~~~』








マリアは
〃自分の問題だから〃と言った言葉通り

現段階では俺に
多くを言ってこないけど


俺は、もっと色々言ってほしいとか
思ってんだよな実際。


うぬぼれじゃぁねぇけどさ…
心配ってのはもちろんだ

言いたくねぇことを
根掘り葉掘り聞くつもりはないし
しないけど




第一マリアがさ
一人で抱え込むようなことしてたら

俺としては
それが一番嫌なんだよな…


側で…隣で支える
それをしないなら

俺がマリアの隣にいる意味がない。


マリアが強がって、空元気して
無理して俺の前でニコニコ笑って

どこかで一人で泣いてる
なんてのは…


それだけは嫌なんだよ、俺。





まして

俺との事が
マリアの今後に悪い影響を及ぼす…

マリアの首を絞めるようなことに
なるのだけは

死んでも避けたい。




だから・・・浮かれた行動とか
そういうこともない…出来ない。






普通のカップル・・・



そんなモンには程遠いな。









後ろさえ向いてなきゃ…


しっかり前向いて歩いてりゃ


必ず希望がある。






戻れない道・・・




二人で足を踏み入れたその道は





その先には・・・きっと


マリアの


そして




俺とマリアの〃自由〃が待っているから…

ストーリーメニュー

TOPTOPへ