かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~
第12章 戻れない道・・・
普通のカップル・・・ではない
いいんだ
そんなことはわかりきってる事。
何も悲観することもない。
不要に一緒に出歩いたり
それこそ、どちらかの知り合いに
目撃されたりだとか
そんな恐れのある所には行かない。
もっぱらインドアだ。
休みの日に
どちらかの家で過ごす。
もとより、マリアも忙しくしてるし
あらゆる意味で
遊んでなんていられない状況だから
ちょうど良いと言えばちょうど良いんだ。
暗くならずに・・・
一緒に過ごす時間を
大切にしてるんだ俺らは。
ピコーン・・・!
・・・って?
マリアが新しいスマホを
いじるのに夢中で
(ガキかテメーはマジで(苦笑)!?)
俺に〃スタンプ連打〃してきやがった
『家ん中にいんのにやるなし!!?』
『ふふふふ~ん♪・・・
あっ・・・!既読スルー!?』
ったく・・・
のんきなヤツ・・・。
のんきなヤツ・・・じゃないことは
知っている。
普通のカップルにはないこと
もうひとつ・・・。
マリアは…働きながら
合間をぬって
今後の事を考え、そして
行動をしているんだ。
弁護士費用を見積もったり
相談に行ったり…
肉体的にも精神的にも
ひどく負担のかかること…
悩んだり、苦しいこと
それを
俺の前で見せないようにしてるんだ。
前向きに前向きにして
楽しい時は思い切り
『楽しい!』って笑顔みせて
マリアって・・・そういうヤツだから