かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~
第14章 薄汚いこと・・・
『アカン!!彼氏サン
アンタおもろいわ!!
フ…フツーな顔して…
つ・・・つめこんで…ぶふふっ!
もうアカ~~~ン!』
『・・・~~~あのですねぇ…💧』
真顔で…
ポケットに女のパンツ詰め込んでんのも
問題だけどよ
(マジで警官いねぇか冷や冷や…チラチラ)
〃素手で〃持ってるワケにも
いかねぇだろぉーがっ?!
ちっくしょ~…アホみてぇなツラして
ゲラゲラ笑いやがってぇ
オ○フクソースでも
ぶっかけてやろーか?!
この関西人がぁっ…!
『ハハハっ…ハハ・・・ヒィ~~
アカン…っ。
あ、スンマセン~!ほな
そゆことで
あ!〃彼氏サン〃?
念のため言うときますけど
くれぐれもソレ、オレが拾うたなんて
言わんといて下さいね?!
彼女がショックうけると
あきまへんやん?
なんも言わんと、そぉ~っと
返したってくださいよ?』
『・・・だから俺は
〃そういうん〃じゃ…』
『ハハハっ!ほんなら
よろしくたのますわ!
ほいじゃおおきに彼氏サン♪』
『・・・。ご迷惑、おかけしました。
失礼します』
俺はさっさと部屋に逃げ込んで…(?)
マリアの帰りを待った。
あのネコ…その大家さんが
引き取ってくれるといいんだけどな
とか・・・思いながらも
・・・〃彼氏サン〃
彼氏・・・。
俺さ…どことなく相手を避けちまって
ろくに話さなかったんだけどさ
(状況も状況だし
相手が単に話しすぎなのもあるが…)
彼氏・・・
それだけは、なんか
必死こいてついつい否定しちまった。
少し神経質になりすぎかもしれないが
例えマリアにも
そう関わりのない人だとしても
俺たちのその関係を
認めてしまうワケにはいかない…
どうしても
そう心理が働いてしまった。
なにも悪いことしてないんだから?
堂々としていればいい?
それが・・・
俺たちには通らない理屈だ。
してはいけないことを
しているんだ…。
やましいことが
あるんだ…。
だから・・・否定するしか
ないんだ。