かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~
第14章 薄汚いこと・・・
色んなマリアがいていい
色んなマリアが好きだ。
だけどさ…やっぱ
こうして、今みたいに
楽しいとか、嬉しいとか
本人らしく・・・人間らしく
笑ってるマリアが
一番好きだ。
だからこそ・・・俺
それを失いたくない。
もうマリアに
笑顔をなくしてほしくねぇから。
そんな想いの反動か
時にピリピリと…それこそ
神経質に、過敏になったり
してるかもしれないんだ、俺・・・。
『あ、そうそう…また会ったぜ隣の人?』
『えぇっ?また?(笑)よく会うね?
私より遭遇率高いんじゃない?』
『向こうもそう言ってた(笑)
マリアの名前知ってたな?』
・・・ちと間違ってたけど。
『え?…あぁ、うん』
『・・・名乗ったの?』
『え・・・?…うん、聞かれたから』
『いつかの偽名使えよ…(笑)』
『え・・・あ、れは…~』
いつかのエピソードを交えると
マリアは気まずそうに赤面した。
『(笑)てかさ…なんで〃ユキ〃にしたの?』
『ぇ…う~~んと…その
あの時も…今みたいに寒い冬で
地元の…雪を思い出した…からかな?』
『ぷっ…わりと咄嗟に考えてたのな?(笑)』
思い出すと、ちと笑える。
俺に警戒しまくってた当時のマリア…。
(あっ!久しぶりにっ
気になる子は読み返してみてくれっ?(笑))
『…~ちょっと恥ずかしいや…』
『俺にはガンガン警戒してたもんなぁ?!』
(笑)
なにもさ…
トゲのある事を言うつもりなんか
なかったんだけどさ
『そんくらいさ…警戒することを
忘れんなよな?
何が…あるか、わかんねぇんだからさ』