かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~
第14章 薄汚いこと・・・
少し仕事の緊急対応で週末に出社…
帰宅してる時だった。
『あ、もしもし?悪いなマリア』
『お疲れさま。大変だったね。
大丈夫だったの?』
『あぁ、なんとか。今から帰って
着替えてからそっち行くから』
マリアの店の人たちが
何だかんだで融通を利かせてくれて
比較的マリアは週末の休みも多くて
おかげで俺たちは最近
わりとコンスタントに会うことが出来る。
『ごめんね!?疲れてるとこに
今日は私がそっち行こうか?』
『フフン…今日も見に行きてぇんだろ?(笑)
あのチビネコとたわむれてろ♪
一時間位で行けると思うから』
『ふふ・・・ぅん。ありがとう
じゃあ、待ってるね』
どこにでもある、やりとり
よくある…日常
なんてことない、ひとつの
一瞬の…判断。
【マリアの家】
マリアはネコを見に行ってから
買い出しに行って帰ってきた。
〃ゆぅちゃん疲れてるだろうな
お休みの日なのに、会社員は
大変、大変〃
マリアが自室のドアをくぐろうとした…
ガチャ…
『お!マリヤチャン!こんちわ!』
『?』
〃…あぁ、例の…〃
『ちょうどエエとこに帰ってきたぁ!
なぁなぁ?!コレ見てんか!?
やってもぅてん!』
男が手に取って見せるのは
コーヒーか何かのシミがべっとりと
ついた白いクッション…
『あ・・・』
『ヤバいやろ~~!?
オレ、ホンマにアホやし~~!?
なぁ、コレどないしたらエエんやろ?』
『ぇ…と、カバーはすぐに外して…』
『ほぉほぉ…ほいで?ほいで?』
『・・・あ、良かった、中はまだ
あまり染みてない。
カバーはすぐにつけおき洗いして…
中のクッションは…濡れたタオルで
トントンて叩いて
しばらく天日干ししたら
かなりマシなんじゃないでしょうか』
〃なんだ…何事かと思った〃