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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~

第14章 薄汚いこと・・・


『!?』

『んんっ…!』




突然鳴った玄関のチャイムに
一瞬焦った男が

マリアの両脚を押さえつけていた
手をはなして

咄嗟にマリアの口と鼻を塞いで
耳打ちした。






『・・・・・・声出すなよ?』








『…っっ…っっ!!』


〃くるし…い…っ〃





ギリギリ息が出来る程度に
数秒ごとにマリアの鼻をつまんで
一切の声が漏れないようにして

男は居留守をつかおうとしていた。




ピンポーン




ピンポン

ピンポン




『・・・』

『~~…~~…』







ピンポーン・・・・


コンコン…



ピンポンピンポン


ドンドン…







『チッ…どこのアホんだらや…?!』






あまりにしつこく鳴りつづける
チャイムとドアの音に

苛立った男が
マリアの口と鼻から手をはなして
ズボンを上げた。






ギロリ…





『・・・っ』


ビクっ…




男がマリアを睨み付け
頬を乱暴に掴み上げた。






『騒いだらホンマに殺すで?…エエな?』





マリアを脅すと男は

大きいバスタオルで
耳と視界を遮るように
マリアの顔をタオルでぐるぐるに覆い

毛布や布団でマリアが動けないように
体をぐるぐる巻きにした。








『・・・。~・・・。・・・』



〃誰か・・・〃




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