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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~

第15章 命の・・・重さ


『ゆぅちゃんも飲む~?♪』







ペットボトル・・・チラチラっ♪







…じゃねぇーよっ!(笑)






なんだその、色気ねぇくせに

色気出してます~みたいな表情はよぉっ!


似合わねぇぞっ!?






・・・可愛いけどなっ


(笑)




『いや、俺はいいよ。
~大丈夫か?…最近疲れてるだろ?』



只でさえ
マリアが疲れてしまう原因は
色々あったし


現在進行形で沢山・・・ある。




スリスリ・・・


マリアが胃の辺りを少し
さすりながら笑った。


『アハハ・・・まぁ、多少はね?
誰だってあるでしょ、これくらい』




俺がマリアの状況なら・・・


そりゃ胃のひとつふたつ
痛くもなる…もっと、なるだろうな。





言ってしまえば
弁護士を通じての離婚協議が
ついに動き出したんだ。


まぁ、現段階で
動き出したのは、マリア側だけだが


旦那に向けて
離婚に応じて欲しいと言う旨の
内容証明だとか


とにかくようやく具体的に
形となった動きが見えてきたんだ。




でも…やっと

一歩…そのまた一歩が

進みだした。



大変だけど、嬉しいこと…

俺はそう思っている。





ちなみに

従って…この上は、今後
原則として弁護士が代理で
進めて行くことになる


逆を言えば、旦那は勝手に
マリアに接触したりするのが
難しくなってくるから


俺もマリアも
少し…少しだけ


どこかホッとする気持ちがある。





だからって気が緩んで~って
ことじゃないがな





弁護士には
俺の事も既に話してあって
(もちろん望ましいとは言われないが)

その上で対策、そして話が
進んでいくことになる。


マリアの日記や
集められるだけの物証も
全て弁護士に提出済みだ。


原則、結果を待つ状態…。

弁護士の見立てとしては

マリアは子供のいない夫婦だし
親権争いはないし
そう難航したりはしないだろうと

そんな答を貰ってる。





…なんて

偉そうに言ってっけどさ?


直接対応は弁護士とは言え

これらの準備とか接見
全部やってるのはマリアだからな?



・・・そりゃ


心労もたまるってモンだ。




胃の痛い思いもする。



まだまだ…こっからなんだ。



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