
かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~
第15章 命の・・・重さ
『ふんがっ…~おにぃっ…もががっ!』
『ヘイヘイ…同棲してない~
人形じゃない~…してないからね~
とりあえず静かにしよーね…
はい、こっち~・・・』
なんて日だっ・・・。
『ぷ・・・ふふっ』
妹を引きずって部屋に戻ると
マリアがクスクス笑ってた。
(呆れてるだろーな)
『で?…なんだってんだ
今日はイキナリ』
『そんなことどぉでもいーからさっ
おにいちゃんっ!!
~あっ!こんにちは♪あたし
妹の真白(マシロ)です
兄がお世話になってます~♪』
『ぁ…こんにちは。ふふっ…
まりあ、って言います』
『マリアちゃん!?可愛い~』
『マシロさん、って
可愛いじゃないですか、ふふっ』
『・・・名前のわりに
〃地黒〃だけどな…お前(笑)』
『カッチーン!!これだから
男はムカつくっ!!!
マリアちゃん、こんなのの
どこがいいんですっ?』
『マシロ~…お前なぁ
馴れ馴れしいんだよ、だいたいなぁ』
『人懐っこいって言ってよ♪』
『自分で言わねんだよフツーは;💧』
『クスクス・・・二人とも?
とりあえず、座ったらどうかな?』
いつの間にかマリアが
お茶を用意してくれて
ようやく場が少し
少しだけ・・・落ち着く。
『へぇ…でも、おにいちゃん…?
いたんじゃん♪〃そういう人〃~』
『・・・マシロ』
『ぁ、私は・・・そういうんじゃないの』
マリアが先に否定した。
『???』
不思議そうにマシロが
マリアを見て首を傾げた。
そりゃ…この状況で
〃そうじゃない〃なんて言われても
誰も納得しないよな。
でも…言えないんだ。
そうです、と言えないんだ。
例え身内であっても……いや
身内であれば尚。
今は…言えないんだ。
