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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~

第15章 命の・・・重さ

マリアの涙は

マリアの本心を語ってるようだった。





『マリアが…今一番
守ろうとしてんのはさ…

自分の将来でも…世間体でも

戸籍だのワケのわかんねぇもんでも
何でもなく

そこにいる〃ソイツ〃なんじゃねぇの?

俺には・・・そう見えるけどな?』










『私は……っ・・・』








『マリアはさ…たまにめちゃくちゃ
完璧にウソもつけるけど?

ホントにつきたくないウソは
めちゃくちゃ下手くそだよな?(笑)

ついでに…マリアに
ウソつきは、あんま似合わねぇし?♪』








『でも、ゆぅちゃんは…っ

ゆぅちゃんには、ゆぅちゃんの
人生が・・・私のせいで

私の勝手な気持ちなんかで…それを』









『マリアの大事なもんは

俺にとっても…大事なもんに

なる・・・』









『む・・・りぃ・・・そんなの』








『マリアは良いかぁちゃんに

なりそうだよな?♪』





俺はマリアの、まだぺたんこなお腹に
そっと手を当てた。








『ゆぅちゃん…そんな易々と
決めていいことじゃ・・・ないよ』






易々と決めたワケねぇだろぉが
この女は(笑)






『楽しみだな?♪』






『戸籍とか・・・どうするのよ』







『マリアが…自由になったら

あ、生まれたら〃ソイツ〃もか♪

〃二人とも〃…あの人から自由になったら
ソイツは俺の〃養子〃に入れたら良い』








『ゆぅちゃん~・・・そんな』









『マリア・・・あん時さ

俺に言ったじゃん?』






『・・・』

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