かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~
第15章 命の・・・重さ
俺はマリアのメールを見て
大急ぎで会社を飛び出した。
『……チックショぉ…っ』
メールが来た時間は
今から二時間前…
もっと早く気づいてれば・・・っ
ひたすら走って走って・・・
マリアのかかっている病院へ向かった。
なりふり構わず受付に飛び込む。
『すみませんっ!!!
タチバナ マリアは・・・っ?』
「・・・?!・・・あのぉ…失礼ですが」
『えっと…今日……~手術で
来てるはずなんですけど…っ!?』
めちゃくちゃ不審な目で見られる。
「申し訳ありませんが
患者様の個人情報は…お伝え出来ない
決まりになっておりますので」
完全に不審がられて
追い返されてしまった。
チクショウ・・・遅かった。
病院はマリアの家から程近い
俺はマリアの家に向かって
ヨロヨロと歩き出した。
RRRRRR・・・
ダメ元でマリアに電話を
ずっとかけてるがつながならない。
マリア・・・
どこにいる・・・?
お前また・・・ひとりで
泣いてんのかよ・・・
結局ひとりで抱えてさ・・・お前は
ひとりで決めて・・・
ひとりで泣くのかよ・・・
『・・・』
マリアの家まであと少し・・・
いつものコインランドリーの前の公園
公園のベンチに・・・うずくまって座る
マリアを・・・見つけた。