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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~

第16章 瞬間(とき)の・・・悪戯


俺はコンビニに向かう道を
引き返していた


チッ…良いとこ目的地まで進んでたのによ

参ったぜ




ま、会計でサイフ忘れた~とか
言うよりマシか(笑)





俺のアパートが見えてこようという辺り





『~~っ!!#&@*〃#&!!!』







?????



なんか・・・騒がし










ギャーギャーわめく…女の声





ハハ…おいおい勘弁しろよ(苦笑)







大して気に止めず
カップルのケンカかなんかと思って
そのまま呑気に歩いてたのも束の間





遠目に・・・飛び込んでくる光景に


目を見開く・・・







『・・・。・・・!?』






騒がしいのは俺のアパート…



俺の部屋のある
二階の通路・・・




女と女が・・・言い合いしてる?








て・・・言うより





片方の女が一方的にわめき散らして

カバンかなんかを振り回して

もう一人の女に殴りかかってる…



そんな異様な光景が見えるのは






なぜか・・・俺の部屋の真ん前・・・





『・・・っ?!』





条件反射のごとく俺の足は
駆け足になる



背を向けたり、防御したり

一方的に殴られてるのが

誰だかすぐにわかったから・・・





顔や頭にカバンが当たっても庇わず

ひたすら両腕でお腹を抱えて

庇ってる女が・・・誰だかは。






『・・・っ!』






なんだよっ!?



アレはよっ!!?






そして癇癪おこしてわめき散らしてる
その女の顔を見て驚く






ミユ・・・







なんで?



どうなってんだよ!?








『マリアっ・・・』






ミユとは昨日あんなことがあって

なんなんだ・・・なんでこんな

次々と…




俺はとにかく必死に駆け寄る






『っ…やめて!・・・もうやめて!』




マリアの声が聞こえてくる

当然ミユの声も





『汚ならしい最低オンナっ!!!

あんたみたいな女は・・・っ

地獄に墜ちろぉぉぉおおぉっっ!!!』






ドン・・・っっ・・・




『っ・・・…ゃ…め』






ミユが両手でマリアを突き飛ばした




俺の部屋の直ぐ前…マリアが立つ後ろには




階段・・・

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