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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~

第19章 愛してるから・・・さようなら

『お腹・・・すいちゃった』




マリアが寝癖の少しついた髪で
ニコッと笑って起きてきた




マリアがサラダや付け合わせを
作ってくれて
一緒にカレーを食べた









『~~~おぃひぃ♪』




『・・・相変わらず美味そうに食うよな(笑)』




俺に気ぃ遣ってんのかな…

無理してねぇのかな…と

思っていたけど







『~~・・・おかわり♪』



『ブホッ・・・!?』






腹減ってるみたいで安心した

あぁ、そうだマリアのやつ
3日も4日も
まともに食事もしてないみたいだからな








『・・・い、いいご身分だよね(苦笑)』





マリアが恥ずかしそうに笑った







『ふふっ・・・沢山食いな。ウマイか?』






『うん・・・!すごく』








『(笑)』








『すごく美味しい・・・美味しいし』







『・・・?』









『味もちゃんとわかる・・・』








ポツリと呟いたマリアが
不意に下を向いたのがわかる・・・







『・・・マリア』







『あは・・・ゆぅちゃんの部屋は
酸素も多いからかな?
ついくつろいじゃって・・・

ごはんは美味しいし
爆睡しちゃったよ・・・♪・・・ハハハ』







『・・・』








ポタッ・・・ポタッ








スプーンを動かすマリアの手が
少し震えて

透明な涙が
ポタポタと皿に落ちていく









『マリア・・・』



『んふふ・・・しょっぱい』





カレーをまた一口
口に運んでマリアはごまかした







『もう・・・大丈夫だよ』



俺は皿を持って背を向けようとする
マリアの頭に、なだめるように
手をのせた





めちゃくちゃ恐い思いをした…

恐かったんだ

当然だ・・・












俺はただ・・・


ただ・・・そう思っていた


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