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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~

第19章 愛してるから・・・さようなら

マリアの言葉が木霊した…





オワリニシヨウ・・・?







俺が思考停止状態になると
マリアは少し身をよじらせて

背を向けたまま
俺の腕をほどいて
一歩先に出てはなれた






『なに・・・言ってんだよ』

『・・・』





マリアはまだ落ち着ききれてないだけだ

俺は単純にそう思った






とんだ恐怖を味わったんだ
マリアなら、こんな事を言い出しても
不思議じゃない…


と言うかマリアらしい・・・


マリアはすぐに…自分のことより
他の誰かの…俺の心配しちまうから





だから・・・今回のことでまた









『マリア・・・落ち着いてくれよ
恐かったろうし・・・

マリアが…そゆ気持ちになんのも
わかるけどよ』






『ゆぅちゃん・・・』









『急にそんなこと・・・言うなよ

ヒヤッとするじゃねぇか』














『急に・・・じゃ、ないよ』









『え・・・?』











『今回のこと・・・とか
今いま思い立ったことじゃない

少し前から・・・考えてたことだから』









俺は余計に言葉を失っていた




旦那との今回のことがあったから
じゃない…



あぁ…そうだ


連絡がとれなくなる前
マリアは…なにか「話したい」って
言ってたんだ




それが、よりによって
こんな話だって言うのかよ

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