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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~

第19章 愛してるから・・・さようなら

マリアは・・・そう言って

そっと横を向いて、目を閉じた






俺の二度と見たくなかったマリア・・・

二度とさせたくなかったマリアの仕草







故意か無意思か・・・

マリアの〃苦痛に耐える〃時の

その表情・・・その仕草






『やめろよ・・・マリア』







受け入れるなら・・・ちゃんと

俺の方を見て受け入れてくれよマリア







『そんな顔…すんなよ・・・マリア』







苦痛なセックスに耐える顔

あの男に見せていた・・・そんな顔






二度と見たくなかった


なのに俺が・・・させちまったんだ




















『俺が・・・守るって言ってんだろうが』








マリアにシャツをかけて
そのまま上から抱き寄せた









『俺・・・バカみてぇじゃねぇか』








マリアが…俺から離れていかない

なんて、なにも

自惚れていたわけじゃない











『一緒に…地獄に堕ちようが
なにがあろうが・・・って

覚悟決めてたのは俺だけかよ

一人でバカみてぇじゃねぇか俺・・・』







マリアは、そうじゃ
なかったのかよ?




なんて…また
ガキみたいなこと言おうとして

本当は
俺にだって
わかってた…




マリアが…泣いていたから






マリアは・・・嘘をついていた

全て背負って終わらせようと








マリアを救うため…守るためだった


なんて綺麗事言って


この期に及んで言い訳なんかしない





俺は倫理に反する事をした



人に忌み嫌われ
軽蔑されるようなことをした




わかっていて俺は
マリアを愛していた・・・




理屈も…綺麗事も

全部取っ払って




俺はただただ
マリアを愛していたんだ・・・

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