かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~
第19章 愛してるから・・・さようなら
ヴー・・・ヴー・・・
シンとした部屋に
ケータイのバイブ音が響く
マリアはシャツで前を隠しながら
起き上がってバックに手を伸ばす
『・・・やめろ』
『・・・』
数時間前から
しきりに鳴りつづけていた事に
俺は本当は気づいていた
マリアが今持ってるのは
俺が持たせたケータイじゃない
鳴り続ける着信のその主が
誰かなんて・・・確認せずともわかる
『・・・。・・・フゥ』
俺の制止を振りきるように
マリアがスマホを手にして開いた
着信…着信
着信、着信、着信、着信、着信、着信、着信
横目に見てもわかる
同じ名前の着信履歴・・・
閉じ込めていたはずのマリアを…
いなくなったマリアを探している
旦那からのストーカー並の着信履歴
『ああいう人・・・だから』
マリアがスマホをギュっと握って
力なく呟いた
『だから・・・っ、あ…っ』
『・・・~』
俺はマリアの手からスマホを
抜き取って即座に電源を落とした
『・・・それも、今にわかったことじゃ
ねぇじゃねぇか・・・』
『・・・』
『俺は、恐くねぇよ…お前のダンナ』
『ゆぅちゃん…』
『唯一・・・恐いとしたら』
それは・・・マリアをなくすこと
それより恐ろしいことなんか
俺にはないぜ
『だから・・・あんな人だからこそ
俺は絶対にマリアを一人にしない。
できねぇよ・・・』
マリアをあの男から守る
だから・・・そばにいる
マリアをひとりにはしない
『ゆぅちゃん・・・っ、わかって
お願い・・・』
『そっちこそ・・・わかれよ』
シンとした部屋に
ケータイのバイブ音が響く
マリアはシャツで前を隠しながら
起き上がってバックに手を伸ばす
『・・・やめろ』
『・・・』
数時間前から
しきりに鳴りつづけていた事に
俺は本当は気づいていた
マリアが今持ってるのは
俺が持たせたケータイじゃない
鳴り続ける着信のその主が
誰かなんて・・・確認せずともわかる
『・・・。・・・フゥ』
俺の制止を振りきるように
マリアがスマホを手にして開いた
着信…着信
着信、着信、着信、着信、着信、着信、着信
横目に見てもわかる
同じ名前の着信履歴・・・
閉じ込めていたはずのマリアを…
いなくなったマリアを探している
旦那からのストーカー並の着信履歴
『ああいう人・・・だから』
マリアがスマホをギュっと握って
力なく呟いた
『だから・・・っ、あ…っ』
『・・・~』
俺はマリアの手からスマホを
抜き取って即座に電源を落とした
『・・・それも、今にわかったことじゃ
ねぇじゃねぇか・・・』
『・・・』
『俺は、恐くねぇよ…お前のダンナ』
『ゆぅちゃん…』
『唯一・・・恐いとしたら』
それは・・・マリアをなくすこと
それより恐ろしいことなんか
俺にはないぜ
『だから・・・あんな人だからこそ
俺は絶対にマリアを一人にしない。
できねぇよ・・・』
マリアをあの男から守る
だから・・・そばにいる
マリアをひとりにはしない
『ゆぅちゃん・・・っ、わかって
お願い・・・』
『そっちこそ・・・わかれよ』