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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~

第21章 覚めない悪夢(ゆめ)・・・

『着るもの・・・借りてもいいかな』



バスタオル姿で
マリアは寝室を覗いた




『…置いてある』




カズキがパラパラと本をめくりながら
自分の横に置いてあるTシャツを指した






『・・・ありがとう』

『・・・』







『借りるね…』

『・・・疲れた』





『・・・ごめんなさい』

『・・・』





バサ・・・





『あ・・・っ』





カズキはバスタオルを剥ぎ取り
マリアをベットに座らせた






ビクビクッ・・・っ






マリアが怯んで
両手で顔を覆うようにして逃れる




『~~~~っ・・・』

『フフっ・・・』




『っ・・・』

『叩いたりしないよ』





ヒタ・・・





マリアの肌を
少し冷たい手がなぞり
ベットに押し倒した






『・・・っ…』

『寝ようか・・・』




カズキがマリアの手を握り
後ろから抱えるようにして
横になった






『・・・服』

『・・・このまま寝ろ』





マリアは頭から爪先まで
硬直したまま横たわっていた






ドックン・・・ドックン・・・








〃盗られたモノを…取り返した

この人は・・・

その優越感に浸ってる…だけ〃





マリアはとてつもない恐怖に
ひたすら耐えていた





〃早く・・・眠って〃






緩まないカズキの腕の力は
マリアの体の震えを
余計に目立たせた






『~~~・・・』



『…………、フゥ』







ギグっ…





マリアは更に硬直した







〃お願い・・・早く寝て〃







ギシ・・・




『・・・!?』




広いベットが音を立てて
マリアをはなしたカズキが起き上がる







ジロリ・・・





その目が横たわっている
マリアをとらえる





『カズキ…』

『・・・』





ゴソゴソ……



カズキが何かを取り出して
振り向いた





〃え・・・?〃

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