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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~

第24章 二人だけの誓い・・・

『・・・おはよ』


『ん…~~、ゆぅちゃん・・・おはよぉ』





同じ部屋で、同じ朝を迎えて
〃おはよう〃と言う



普通のカップルや普通の…夫婦・・・なら

なんてこともない
当たり前な光景




だけど・・・俺たちにとっては特別




ここには…俺らが

気にしなければならない…〃人目〃がない




俺とマリアの迎えた…初めての


〃特別な朝〃だった


















つっても・・・もう昼過ぎだったがな(笑)








『ゆぅちゃん…ごめんシャワーお先に…』




ガウンを羽織ったマリアが出てきた





『あぁ、かまわねぇよ。…それより
腹減ったな…』





『ご飯食べる♪?
昨日ゆぅちゃんにもらったお弁当あるよ』




マリアはバックから昨夜のコンビニ弁当を
大事そうに取り出した




『あ~…食ってろよ
俺ちと出かけてくる

着替えとか…何か
食うもん買ってくるから』






『ぇ…それじゃ私も』






『いーけどよ・・・』




チラリ…

俺はベットの上に畳んで置いてる
マリアの例のド派手な服に
目を落とした





『こ…これは・・・着ないよ』



マリアは少し苦笑いして
バックから別の服を取り出した




ホッ・・・(笑)





駅の近くのデパートやら量販店で
着替えや食料を調達してホテルに戻り
重苦しいスーツと汗臭いシャツを
ようやく脱ぎ捨てた






『マリア…ちょっとおいで』

『?』




ベットに腰かけてたマリアを手招きして
薬局の袋を取り出した




この暑いのに…七分袖のマリア




『ぁ…ゆぅちゃん・・・平気だよ?』

『・・・』




『痛くないから・・・』




俺はマリアの体に残る傷に
黙って薬を塗った





『ごめんね・・・』



『・・・。バカ…お前は別に

なんも悪りぃことしてねぇだろ』




『余計な気を…遣わせちゃって』




『傷…これつけると残らないらしいから』




『ありがとう…』



傷痕やアザに効く薬を
目の届くとこ…全て
マリアに残る傷につけまくった


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