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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~

第24章 二人だけの誓い・・・

『マリアっ!…おい、どこ行くんだよ!
どっか行くなって言ってんだろう!』


『~~っ』



脇道に車を止めて
俺はマリアを追いかけた



『行くとこなんか…ねぇだろうが
一人でうろちょろすんな』





涙目のマリアの手を引いて
車に戻る・・・んだが






『・・・?』


『海・・・』





マリアの差す方向…



潮の匂いと…波の音





『ゆぅちゃん・・・海があるよ』






結局そのまま砂浜に降りた






『冷た…っ』




マリアはサンダルを脱いで
海に足をつけていた





潮風の匂いが
どことなく…心を沈めてくれる







『ゆぅちゃん・・・さっきはごめん』





『ん~?』







『怒鳴ったりして・・・ごめん』






まぁ…マリアの性格考えれば
俺の話にマリアが両手挙げて万歳で
喜ぶワケもないとは…思ってたけどさ









『・・・本当は嬉しかった』





『え・・・?』






『嬉しいなんて…不謹慎て言うか
思ったらいけない事だと思う

だけど…本当は
泣きたいくらい嬉しかったの

なのに・・・ごめん』







『クス……素直で良いとこ素直じゃねぇのな』






パシャッ・・・






『やっ…!!~~っちょっとぉ!?
何するよのっ!!濡れちゃったじゃない!』






俺がすくって引っかけた海水が
マリアのワンピースを濡らした





『うぁ!冷てぇっ!!やめろ~!(笑)』



『やられたらやり返す~~!!!(笑)』






熱い砂浜を…ガキみたいに

裸足で走り回った






『キャハハハハっ…!!っ~~キャー!!!』


『うらっ♪捕まえたぞっ!!』







・・・あっつ(汗)





終いにはズッコケて
砂の上に並んで大の字になる







『ハァっハァっ…ま、まぶしぃ~~』


『てかあちぃ~~』





並んで見上げた青空は…
無限に広がっていた







『でけぇな・・・』


『ふふ・・・人間て、ちっぽけだょね』




現実に帰った?俺らは
笑いながら服についた砂をはらい合う




『近くにデカいモールあるみたいだ
買い物いこうぜ』


『うん…ねぇ、ここ…また後で
寄ってもいい?』



『?…あぁ』

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