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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~

第24章 二人だけの誓い・・・

『ふふ・・・はずしちゃった
もっかいつけて??』



『・・・~~』





照れる気持ちを抑えて



俺がマリアの手に

マリアが俺の手に


それぞれの右手の薬指に
指輪をはめた





『ありがとう…ゆぅちゃん
すごく・・・嬉しい』



『まりあ・・・』














ルール違反…人道に背くこと



人に…世間に後ろ指を指され
軽蔑されるべきこと




人は・・・気持ちのままになど
生きられない



それを抑えるのが理性や…モラル



当たり前に社会に溶け込んで
生きてくためには



人や世間の敷いたルールに反してはならない




大人になれば・・・尚のこと





人を好きになるのは



誰かを愛することは




時として・・・大きな罪だ








なのに・・・そんな全てに逆らって




全てを捨てて、敵に回す覚悟をして




どうして俺は




マリアでないとダメだったのだろう・・・






そんなことが・・・わかるのなら





言葉や…理屈で片がつくのなら





俺は・・・





人は・・・苦しみはしないだろう

















『ゆぅちゃん・・・』







マリアが潤んだ瞳で
俺を見つめ直した












『〃優人〃・・・愛してる』








『〃まりあ〃・・・』










知り合いも…誰もいない


人ひとりとしていない


誰の目にもつかない


真夏の海岸









俺とマリアは…人知れず

そっと口づけて誓った








誰もいない…誰にも見つからない






誰にも認められることも


祝福されることもない





華やかなドレスも


花も…ウェディングケーキも


キャンドルも…


鐘の音さえもしない






ただ…お互いの〃心〃だけで





たった二人きりで





二人だけの・・・誓いを交わした














『ずっと・・・ずっと・・・愛してる』

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